広島 スタジアム問題について ~だんごファーム別館~

元サンフレッチェファンが思うこと

続・サンフレッチェは本当に「人気が無い」のか?

※この記事は以前運営していたブログの記事を、原文のまま再掲載したものです。

 

以前に書いた記事、「サンフレッチェは本当に「人気が無い」のか?」はそれなりに反響があったっぽいので第二弾。


題して、【続・サンフレッチェは本当に「人気が無い」のか?】




■クラブの存続危機??

サンフレッチェが観客動員数で苦戦しています。

2ndステージ5連勝、年間順位でも首位に立ったのに一体何故なんでしょう?それはエディオンスタジアムのアクセスに問題があるからなんです!
試合後には毎回酷い渋滞。横川駅までのシャトルバスには長い行列ができ長時間待たされるというJリーグ屈指の糞アクセスなんです。
おまけに陸上競技場なのでスタンドからピッチは遠く離れていて臨場感が全くありません!屋根付きスタジアムを求めるJリーグからは何度も警告を受けていて、このままでは最悪の場合クラブライセンスを没収され、J3降格になってしまうんです。
今まさにクラブ存続の危機なのです!

だから市内中心部にサッカースタジアムは絶対必要なんです!
アクセスが改善されて、選手との距離が近いスタンドがあれば必ず観客数は増えます!
このままサンフレッチェを消滅させるわけにはいきません!
みんなで広島の誇り、サンフレッチェを応援しましょう!



…これを見てサンフレッチェを見に行こうと思いますか?



酷いアクセスなのに、わざわざスタジアムまでいきますか?

クラブの存続危機なので見に行って助けてあげようと思いますか?


元々サンフレッチェに興味が無い人は、これで見に行きたいとは思わないのではないでしょうか。
楽しいかどうかもわからないのに、クラブの存続危機だから見に行ってみようなんて人はそうそういるものではありません。

もっと、サンフレッチェの魅力や楽しさを伝えないと、観客動員数は増えていかない。

最低でも1試合平均17000人は超えないとスタジアム云々などと言えない。

そこにある楽しさを、人に伝えなきゃ、サンフレッチェは拡がりを見せない。


最近、特にその想いを強くするようになりました。


■批判をするだけでは何も変わらない

もちろん、問題は問題としてしっかり認識すべきです。冒頭に書いた文章も、言ってることはそれほど間違っているわけではないと思います。クラブ存続の危機といえばそうなのでしょう。ただ、クラブが率先してそれを発信するのはいかがなものかとは思いますが(理由は後述)。

しかし、今の現状は、そればかりが前面に出過ぎているように思うのです。

TVで取り上げられれば、エディオンスタジアムへのアクセスの酷さが強調され、見に行く気力が失せるものばかり。Twitterでは「こんなスタジアムはクソ。市内にスタジアムが出来ればもっと沢山の人が来るのに」という声が拡散されていきます。


でも、こうやってスタジアムについて文句を言っていれば、何かが変わるのでしょうか?


批判を並べたらエディオンスタジアムのアクセスが良くなるなら、自分もいくらだって批判します。広島市を非難すればスタジアムを作ってもらえるなら、毎試合後、Twitterで広島市に罵詈雑言を浴びせましょう。


しかし、このやり方では何一つ変わらない。

批判をすれば、賛同者が増えるわけではない。罵詈雑言を浴びせれば、スタジアムが出来るわけではありません。こういうやり方で効果が出ないことは先の広島市長選挙で学んだはずです。


■そこにある楽しさを伝える

新規顧客の獲得。本当に難しい問題だし、簡単に出来るものではありません。
しかし、今スタジアムに足を運んでいる人は、なぜわざわざスタジアムに足を運んでいるのかを考えるといいのでは無いでしょうか。

みんな、「こんなにアクセスが悪いスタジアムにわざわざ行っているオレ、カッケー」と言いたいが為に足を運んでいるわけではないでしょう?
…いや、もしかしたらそういいたいだけの人もいるのかもしれませんが(笑)

そうやって苦労してスタジアムに行った見返りがあるから、足を運んでいるわけです。

そこにある楽しみの為に、"わざわざ"スタジアムに行くのではないでしょうか。


今、スタジアムに行っている人には、必ずその「楽しさ」があるはずのです。


「お目当ての選手が見たい」

「スタジアムでいろんなグルメを食べたい」

「みんなでワイワイ楽しく盛り上がりたい」

「勝った後のサンフレ劇場が楽しみ」

それぞれいろいろな、楽しみ方があるはずです。

まずは、それを周りに伝える。そこにある楽しさや良いところをアピールして、新規客を増やす。
これは、クラブでは無く、1人1人のサポーターが伝えていく部分だと思うのです。

■「流行っている」感を出す

クラブが存続危機を訴えるのはいかがなものかという趣旨の事を書きましたが、それには理由があります。

新規客を増やす絶対条件として「流行っている感」を出す、というのは必須だと思います。

昨年、フォルランや柿谷を擁したセレッソ大阪は「セレ女」なるブームを巻き起こしました(残念ながら柿谷はシーズン途中で移籍、フォルランは期待されたほどゴールを挙げられずJ2降格の憂き目にあって「セレ女」は激減しましたが、あの現象自体はクラブとして狙い通りだったと言っていいと思います)。

サンフレッチェも存続危機をアピールするよりは、今が旬の浅野、野津田あたりは積極的にクラブの新しい顔としてアピールしていくべきです。いつ無くなるかわからないものを応援するほどハードルが高いものはありません、そこまでボランティア精神にあふれた人が多いとも思えません。まずは、選手個人にスポットを当ててプロモーションするという事も、限度を超えない範囲では必要になってくると思います。やはり、"人から入る"という事は入り口としては入りやすいものだと思うので。

■スタジアムグルメはもっとアピールすべし

今年からスタジアムグルメは格段に充実しました。新しい飲食店もかなり入ったし、それぞれ魅力的なメニューがたくさんならんでいます。

…が、それを上手く活用できているかといえば、これが惜しい。

公式で一応紹介されてはいますが、もう一捻りあると全然違うと思います。たとえば”大人気マスコット”サンチェさんの一言コメントを付けるだけでも全然違うはずだし、もっと美味しそうな写真にすれば「食べてみたい」という気持ちも沸いてくるはず。お祭りの雰囲気が好きな人ならスタジアムグルメを食べに来るだけでも、価値があると思いますよ。

あと、これは全くの個人的なアイデアだけど、スタジアムグルメのスタンプラリーをやったら面白いんじゃないかなと。それぞれの店で購入してスタンプを押してもらって、溜まったら特典を付けるとかあれば、各店が潤うのではないかと思います。縁があって今年新しく入ってもらった飲食店さんには、やっぱりそれなりに成果を挙げてもらいたいので(笑) せっかく「WE FIGHT TOGETHER 完食」っていうキャッチフレーズもシーズン前にはアピールしていたはずだし、そこを利用しない手はないんじゃないでしょうか。

少し話はそれてしまいましたが(というか完全にそれた)、新規客を誘うにはスタジアムグルメも有効手段の一つだと思います。

■「歴史」は作っていくもの

先日、某ラジオ番組でアナウンサーが「サンフレッチェのファンはカープと同等に扱ってくれと言うが、戦後復興の象徴であるカープとは歴史が違う。身の丈にあった事を言え」との趣旨で発言があったとネットで話題になりました。まあ、悔しいですが正論ですね、コレ。
「何言ってやがんだ横山のヤツ!だからこいつは嫌いなんだよ!」との怒りの声も沢山見ましたが、こうして取り上げてくれたこと自体は有難いんじゃないんでしょうか。本当にどうでもよかったらサンフレッチェのことなんて無視するでしょうし、話題になったのはむしろポジティブではないかと。あ、そういえば横山って言っちゃったね、まあいいやw

歴史を出すのは卑怯と言えば卑怯です。カープとサンフレッチェには覆せないくらいの差があるので。

ただ、今こうしてサンフレッチェの歴史は作られているわけだし、そこに立ち会えているという幸せも感じます。

まずは1人1人、サンフレッチェのサポーターを増やしていく、呼び込んでいく。

それがサンフレッチェの歴史を作っていくことに繋がっていくのだと信じて、このブログを書いていきたいと思います。