【広島 スタジアム問題 1】 ”元”サンフレッチェファンとして、クラブに対して思う事。
今日、サンフレッチェの独自案の詳細が発表された。やっぱりこの程度しか出なかったかというのが率直な感想。「民間ならやり直しさせられるレベル」と作業部会の資料を痛烈に批判していたうえ、前回の発表から2ヶ月以上も経っている。それなりに期待もしていたのだが、今のクラブにはこれ以上を描ける人はいないということなのだろう。「スタジアムを寄付する」と言えば聞こえは良いが、固定資産税などの税金逃れと見られてしまうのは避けられない。その他細かい部分をいちいち指摘しても仕方が無いので、それはしないが、ようはそこを責任を負って運営するだけの力が無いということだ。
元々、前のブログをやめたのは、サンフレッチェ広島による一連のスタジアム問題によってクラブを支持することが出来なくなったためだ。以前のブログは、これ以上ないくらいクサい言葉でいえば”サンフレッチェ愛”をテーマにして書いていたので、気持ちが離れてしまった以上は書くべきでないと判断した。そして、それなりにサンフレサポの読者がついていたあのブログでクラブの批判などしたくもなかった。
しかし、一歩離れたところから見ていると、今まで見えなかったものも見えてくることがある。どのみちこんなブログなんて読者はいないので思うように書ける。後述するが、サンフレッチェ界隈において、クラブの方針を支持しない者はファンとは認められないらしい。以下は、”元”サンフレッチェファンのスタジアム問題に対する思いだ。
スタジアム問題が市民の関心事とならなかった理由
ここまで来ても、とうとうサンフレッチェのスタジアム問題は一般市民の関心事とはならなかった。この問題についての市民間の関心の差は大きく、一部ではそれに命を懸けるほどの情熱を燃やしている人もいるが、一方では全く興味が無い、どうでもいいという人も多い。というよりは、周囲でスタジアム問題を問いかけても断然後者のパターンが多い。
なぜ、この問題は最後まで市民を惹きつけることが出来なかったのか。跡地建設を願う人の多くは「地元メディアが癒着してスタジアム問題を報道しないように仕向けているのが一番の問題」とする向きが多く、批判の的はもっぱら広島最大のメディアである中国新聞だ。確かにそれも盛り上がらない要素の一つではあるだろうが、本質的な部分では違う。メディアの援護射撃が無いと盛り上がらないような状況を作りだしているのはクラブ自身だ。サンフレッチェ広島が"地域密着"というJリーグの理念を忘れ、自治体に批判の矛先を向けながら、建設場所執着する姿勢そのものに違和感を覚える人が多いからではないか。
そもそも、跡地には周辺に経済効果を波及させる3万人規模の”複合型スタジアム”の建設を目指し、周囲にも経済効果を波及させる”スタジアムは街づくり”としてきた。それが、景観の問題を指摘されたり多額の費用がかかることが判明すると観客数を変更し、3月の独自案では複合化の話など全く消えてしまった(ランニングコースや修学旅行生が弁当を食べるのは、空地だって出来ることなので複合化とは考えない)。発表されたのは、観客席をくり抜くというギミックを使った”原爆ドーム近くでの平和の発信”という非常に抽象的なもの。クラブとしては「主張は変わっていない」としているが、第三者の立場からすれば、コンセプトを変えながらでも、何が何でも跡地に拘るという風に見えるだろう。そして、宇品では赤字、跡地では黒字というクラブの試算を前面に打ち出したことも、一般市民からすれば「どうでもいい」のである。どうでもいいとは言葉がキツいかもしれないが、哀しい事に、要はサンフレッチェが市民にとってそれだけの存在でしかないということ。ここ4年で3度も優勝を果たしたにもかかわらず、だ。
市民球場跡地に対する異常なまでのこだわり
以前のブログで、市民球場跡地に対しての問題提起を書いたことがあった。好意的に捉えてもらえた意見もあったが、一部のサポーターからは「今更何言ってるんだ」「クラブの経営状況理解してんのか」と言った軽蔑をされ、批判や中傷のメッセージなども送られてきた。挙句の果てには分断工作員認定や、情報弱者の哀れなサポーター扱いである。まるで「跡地を支持しないものは人間に非ず」と言わんばかりだ。そして、望む望まないにかかわらず候補地に挙げられただけの宇品という土地そのものに対しても徹底的に攻撃するというスタイルには本当に閉口する。現職市長を批判し、エディオンスタジアム周辺を貶しながら跡地建設を訴えた市長選の時とまったく同じ。あの教訓から何も学んではいない。宇品が無くなったからといって、跡地に決定するという単純なものではないのに。
それにしても、クラブと一部のサポーターが広島行政を悪の権化と見立て、全方位を敵に巻き込みながらも、市民球場跡地に異常にこだわるは何故なのか。「エディオン本店の目の前だから、利益を生み出そうとしている」という見方もあるようだが、スタジアムに来る観客が電化製品を買って売上げ貢献するとはあまり考えられない。実際にあったとしても、全体売上からすれば微々たるものだろう。
それよりもこの地へのこだわりは、「面子・プライド・イデオロギー」といった情念によるところが極めて大きい。「市民球場跡地」なのだから当然ながら、以前この場所を使っていたのは広島東洋カープである。戦後の広島の象徴であるカープが長らく使ってきたこの地に、サンフレッチェ広島という新たな時代の広島の象徴を打ち立てる。それは「野球<サッカー」を証明することになる。そして、"広島の闇"として批判し続けてきた行政に対して、勝利の凱歌をあげるのだ。くだらない。心底くだらない正義感だ。「アクセスが良いから跡地にこだわっているんだ」と言う人もいるだろう。それに対しては、アクセスに頼らないといけないようなコンテンツが、広島のど真ん中でやっていけるんですか?としか言いようがない。
今、サンフレッチェ広島がやらなければいけないこと
「サンフレッチェには時間が無い消滅するぞ」「J3降格や県外移転してもいいのか」などと言われれば、それはそれで仕方が無いですねと言うしかない。ここまでの状況を生み出したのはクラブの責任でもあり、サポーターの所業でもあるのだから。こうやって拗れてしまったスタジアム問題は、最早どこに建とうと皆から祝福されるものにはならないだろう。宇品に建てればサポーターに愛されないスタジアムとなり、跡地に建てれば市民に愛されないスタジアムになるだけだ。一度、このスタジアム問題は白紙にして、ゼロから考えるべきだと思う。今はスタジアム建設の機では無い。
どうしてそう思うか。それはサンフレッチェ広島が、クラブの存在価値を上げることが出来ていないからだ。もっと言えば、ここ数年間クラブが好成績を収めている時に、しっかりとブランディングが出来ていれば、スタジアムの話題も市民の関心を得られたはずだ。だが、クラブはこの間もエディオンスタジアムのアクセスの悪さを訴え続け、サポーターもそれに同調し「中心部であれば集客が上がる」との主張をしてきた。集客努力を怠ってきたとは言わないが、実際問題としてスタジアムのアクセスの不便さを訴え続けたことによって、集客は上がるどころか減少傾向にある。結果を見れば、努力が足りないと言われても仕方ないだろう。実際、営利主義だと批判の的になるカープなどは、豊富なグッズ開発や「カープ女子」なる造語を生み出しながら、いかにして集客するかという細かい営業努力をしている。「カープは昔からあるから」などという問題とは別次元の話だ。
サッカーは野球とは違い、ちょっと気楽に見に行くという観戦スタイルはなかなか成立しにくい。その代わりといっては変だが、ハマる人は徹底的にハマり、少々の時間をかけてでもスタジアムに通い続けるリピーターとなる。埼玉スタジアムだってカシマスタジアムだって一般的に見ればアクセスが良い場所とは言えないが、多くのサッカーファンが駆けつける。それはコンテンツの魅力がアクセスを上回るからに他ならない。広島において存在価値を高められていないサンフレッチェのスタジアムが街なかに建てたからといって、単純に観客数が増えることは考えにくい。
だからこそ、サンフレッチェは今出来る事を少しずつでもするべきなのだ。アクセスのせい、広島のメディアのせいにしていても、何も変わらない。集客の為に出来ることは、まだまだ出し尽くされてはいないだろう。コンディションの関係上難しい部分もあるだろうが、選手をもっと露出してアピールするのもいいだろう。色々な公共交通機関に広告を増やして、とにかく目に止めてもらうことから始めないといけない。地元企業の泥臭いドサ周りだって必要かもしれない。集客への特効薬など何もない、地道な努力が今こそ必要なのだと思う。スタジアムを作るのが先か、人を集めるのがが先か。よく考えれば答えは自ずと出てくるだろう。
まあこんな事を書いても一部のサポーターには元サポを装う工作員だと言われるんだろう。そんな人達はいつまでも全方位を敵に回して、TwitterでRTしあっていればいい。そんなことでスタジアムが建ちはしないから。
スタジアム問題について
※この記事は以前運営していたブログの記事を、原文のまま再掲載したものです。
この問題、もうグチャグチャになってるので触れないでおこうかと思っていたのですが、自分の頭の中を整理するためにアウトプットします。恐らくこの問題について書くのは最後です。
市民球場跡地ならオールOKなのか
そもそもの前提として、私個人としてはエディオンスタジアムの近くに住んでいますので、正直、スタジアムが建設されなくても全くと言っていいほど困りません。むしろ、エディオンスタジアムから移転して、移動距離が長くなるだけですから、これ以上ない環境と言ってもいいわけです。
しかし、サッカースタジアムが要らないかと言われれば二つ返事で「必要だ」と答えます。なぜなら単純に「ピッチとスタンドが近い臨場感のあるスタジアムでサッカーを見たいから」です。それ以外の理由などありません。
ご存知の通り、スタジアムの候補地は市民球場跡地と宇品みなと公園の二ヶ所に絞られました。他にもっといい場所はあったのではないかとも思いますが、話合いの過程の中で脱落していったようです。
そして、広島県と広島市は宇品という結論に向けての選考過程を進めていきました。そこに久保会長の独自案が先日発表され、大方のサンフレッチェサポーターは「跡地でないとダメだ」という論調です。
よく言われるのは「宇品では自家用車で来るから渋滞で物流機能が麻痺する」「跡地なら3万人来ても交通の便がいいからすぐに捌ける」といったもの。一見説得力があるように思えるのですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
冒頭にも書きましたが、私はエディオンスタジアムの近くに住んでいますが、試合日には徒歩でスタジアムに行っている為に、実際に渋滞を体感することはあまりありません。
むしろ、その機会が多いのは私の家族です。
こんなにサンフレキ○ガイな父をよそに、家族はサンフレッチェにはあまり興味はありません。
なので、スタジアムに行くこともごく稀。土曜日に出掛ける際に渋滞に遭遇したなんてことも過去にはあったようです。
しかし、嫁も馬鹿ではありませんから学習をします。試合日には開催時刻をチェックし「今日は18時から試合が始まるから直前は避けよう」とか「終了時刻と重なると巻き込まれるから早めに出よう」などと、渋滞を避ける為にそれなりに計画を立てるようになるのです。
宇品の物流業者さんも渋滞に巻き込まれて遅延となれば信用を無くすことになりますから、色々な策を巡らせて渋滞を避けることも考えられます。もちろん、全てがそのように出来るわけではないでしょうから、実害が出る場合もあるでしょうが、全く無策で渋滞に巻き込まれるなんてことは無いと思います。
それに対して、市民球場跡地なら全く渋滞が発生しないんでしょうか?跡地には近くにバスセンターがありますから、多くの人はバスや市電を使って来場するでしょう。ただ、公共交通機関が貧弱な広島では「どんな場所でもマイカーで移動する」という習慣は存在しますし、どれだけアクセスが良い場所でも車を使って来る人は絶対にいます。
さらには県外からアウェイサポーターが車で来場するのも当然あるでしょう。市内中心部に駐車場がそう多くあるわけではありませんから、マイカー来場者の多くは駐車場探しに奔走するでしょうし、それが渋滞を巻き起こすことも考えられます。
もちろん、アクセスが悪いと言われるエディオンスタジアムに比べればかなりの数のマイカー来場者は減ると思われるので、致命的な渋滞が発生することは無いかもしれませんが「跡地であれば渋滞が発生しない」というのは少し無理があるように思います。
そこについて語られることが全くないのは少し不自然なようにも映るのですが、どうなのでしょうか。
「スタジアムは街づくり」の実践
当初、クラブが掲げた市民球場跡地のスタジアムコンセプトには「スタジアムは街づくり」とありました。
スタジアムがあることで、サッカー開催日はもちろん、それ以外の日にも街を活性化させるという考え方そのものは掛け値なしに素晴らしいと思います。
が、「スタジアムは街づくり」を掲げるのであれば現在のエディオンスタジアム近郊で何かそういった動きが出来ているのかと言えば、ハッキリ言って全く出来ていません。
吉田サッカー公園がある安芸高田市とは非常に良好な関係を築いているサンフレッチェですが、ホームスタジアムがある地域ではそのような関係性は、ほぼ皆無です。
そこには、自治体側からの歩みよりが無い事もあるのでしょうし、クラブ側から働きかける事もあまり無いように見受けられます。もちろんこれは勝手ないちサポーターの目ですから、実際には色々と動いていながらも実現できないことがあるのかもしれませんが。
現在がこのような状態なので「スタジアムは街づくり」を掲げても本当に実現出来るのか?と懐疑的な目で見られているのも、ないとは言えないでしょう。
聞いた話では、エディオンスタジアム近郊のスーパーではサンフレッチェの試合開催日にはパートアルバイトの人数を減らすそうです。
なぜなら試合を見に行くサポーターが長時間無断で駐車し、本来スーパーに来るはずの人が来れないという事態が発生し、売上がガクンと落ちるから。街づくりどころか、地元にはマイナス効果というのは何とも寂しい限りの話です。
※近隣スーパーへの長時間駐車はクラブにも迷惑をかけることになりますので絶対にやめましょう。
市民が食いつかない理由
今回の問題においての広島県・広島市の対応は確かに酷いものがあります。実は知事も市長もスタジアム問題以外においてはかなり有能な方だと思っているのですが、ことスタジアム問題に関しては全くダメダメです。最近ではこのダメダメな過程を地元ニュースで報じられることも多くなりましたから、以前よりは市民の認知度が高くなってきているとは思います。実際周りに聞いてみても、「何で宇品にしようとしてるん?」と言われることもあります。
が、いかんせんスタジアム問題に対しての関心はまだまだ低いと言わざるをえません。
何故なのか。
以前もこのブログで同じような事を書きましたが、この話、何よりも楽しくないからです。
本来なら「サポーターの夢である専用スタジアムを作ろう!」という話なのですから、もっと楽しい話のはずなのですが、前述の通り、サンフレッチェに関心が無い、ともすれば敵対心すらあるのではないかと思われる行政の対応は、それはそれはそっけない。
そのような扱いをされるものだから、スタジアムが欲しいサポーターからすれば、楽しさを伝える前に”憤り”が前面に押し出されてきます。
もちろん、気持ちは良くわかります。他の自治体との対応の差や、そもそも行政側からエディオン(当時デオデオ)に経営をお願いした経緯を忘れているんじゃないかという言い分もあること思います。
ただ、一般層はそこに対して一緒になって食いついてくるのかといえば、それは少し難しい。ある程度の共感はしてくれるでしょう。しかし、そこから先はありません。
それは「自分にとっては関係ない」からです。以前、「今の観客数を増やすことが出来ないでスタジアムは無理だ」という事を記事にした際に「その話は理想論だ。もうそんな時間はないのだから経営危機で煽るべきだ」という趣旨のコメントを頂きました。
確かに理想論でしょうし、そんな時間ももう残されていないのかもしれません。ただ、今でも「夢が無いものに人はついてこない」という気持ちは全く変わっていませんし、それが無いとスタジアムなんて出来るわけがないとも思っています。
平和を祈念するスタジアムはあの土地と広島においてとても意義があるものだと思いますが、それに夢を見れるのかどうなのか。一般市民にはもっと夢のある話を伝えていかないと、どうやっても士気が上がらないのではないでしょうか。
理想論なのは解っています。夢を見るには余りにいろいろありすぎたのかもしれません。
ただ、この視点が無い限りはどうやってもスタジアム問題はいいように進まないと思います。「金を出すから勝手にやらせろ」というものではなく、市民全体で一緒になって広島の宝であるカープとサンフレッチェを盛り上げようという機運が絶対に必要なのです。
以上、ずっとスタジアム問題でモヤモヤしていたことを書き出してみました。
この記事が共感を得られるとは思っていませんし、勝手ないちサポーターの戯言です。
ただ、市民球場跡地のスタジアム自体には賛成だけど、こういう気持ちを抱えているサポーターもいるという事も頭の片隅にでも入れておいて頂ければ。
続々・サンフレッチェは本当に「人気が無い」のか?
※この記事は以前運営していたブログの記事を、原文のまま再掲載したものです。
前回・前々回とサンフレッチェのあれこれについて思うままに書いてきました。
特に前回の記事には驚くほどの反響をいただいてちょっとビックリ。twitterでリツイートしてくださった方々、賛同や反論のコメント頂いた方々、ありがとうございました。
要約すると、「サンフレッチェの楽しさをもっと伝えよう」という趣旨でグダグダと書いていたのですが、このタイミングでクラブから公式ガイドが発刊されましたのでそちらのご紹介を。
サッカー観戦ガイドinエディオンスタジアム広島発刊!
クラブのサポートショップやスポンサー企業に置かれているようです。(ちなみに私はスポンサー企業の某スーパーのフリーラックで手に入れました)。
これが驚くほどしっかりとした作り。全18ページの小冊子になっています。
内容は
・スタジアム観戦体験記
・サンチェ&フレッチェのサッカー観戦講座
・スタジアムの注目グルメ
・サポーターの応援スタイル(グッズ紹介)
・座席、チケット料金、購入方法など
・チームスケジュール
・選手名鑑 などなど
特にスタジアムでの過ごし方を紹介されている「観戦体験記」は初めての方に是非読んで欲しい内容。サッカーって直前に来るだけじゃ勿体ないんですよね。折角来るのだからいろんなイベントを楽しんで欲しいと思います。
とにかく、凄くいい出来です。Winkさんガチですわ。もうちょっと選手をフィーチャーしても面白いと思いますが、食い物とグッズで釣るのは王道なのでこれで間違いない(笑) 出来ればこの内容は公式HPでも見れるようにして欲しいなぁ…。
是非、既存のサポーターさんもご一読を。そして、サンフレッチェを観に行ったことが無い人にも広めていきましょう!
…というわけで、自分もさっそく職場で紹介してみることにしたのですが、ここで驚くべき事実が…
「サトウヒサトって誰ですか??」
まずは、アルバイト女子大生2名にさりげなく(というか無理からw)サンフレッチェの観戦ガイドが置いてあった事を紹介。サンフレッチェを観に行ったことがあるかと聞くと、二人とも無いとの事。
「そもそもエディオンスタジアムってどこにあるかわかりません」との事なので、<交通・アクセス>のページを見せて説明。
「へぇ…広島駅からカープは歩いていけるからいいんですけどね」
うーん、それを言われると返す言葉が無いんだけど。あ、でも、白島駅が出来てから乗り換えも便利になったんだぜ!
さらにグッズのページを見て「え?サンフレッチェにもグッズってあるんですね!カープだけかと思ってました」
どうやらサンフレッチェにはグッズが無いと思っていたらしい…。
グルメのページを見せると「行けばこれが食べれるんですか?」と今までで一番喰いつきが良かったw お金と時間があればいくらでもスタグル堪能できまっせ!
選手名鑑のページでは不思議そうに見ている感じ。「こんなに選手いるんですか?」と。
…ちょっと待てよ。ここである疑問が沸くワシ氏。まさか選手の名前一人も知らないって事はないよね??
ワシ「サンフレッチェで知ってる選手いる?」
JD「いません」
お、おう…。ま、まあいきなり知ってるかって言われても、すぐに選手の名前とか出てこんよね。これは聞き方が悪かった。でも、俺たちには佐藤寿人が、サンフレッチェが誇る生きるレジェンド佐藤寿人がいる……!
ワシ「佐藤寿人は知らない??」
JD「いやだぁ。知るわけないじゃないですかぁ。サトウヒサトって誰ですか?」
え???佐藤寿人を知らないの???マジで?????
何度も「マジで???チラッと名前聞いた事もない???」と聞き返しましたが
「そんなに有名な人なんですか?」との返答。
…自分の中での既成概念が音を立てて崩れていくのがわかりました。「サトウヒサトって人が一番強いんですか?」と言われた時以来の衝撃です。
「サンフレッチェの事は知っているだろう」というエゴ
実はこの女子大生2名は県外出身者(広島に1年半は住んでいますが…)。うん、まあ仕方ないよね。ニュースの報道もカープばっかりだし、小さい頃からサンフレッチェに触れていたわけじゃないし。
でも、広島出身なら佐藤寿人ぐらいはわかるでしょ。J通算200ゴールのレジェンドですよ?サンフレッチェがJ2に降格した時にも真っ先残ることを決断したクラブの象徴ですよ?それを、広島人が全く知らないわけないし。…ということで、広島生まれ広島育ちの大学生と社会人(いずれも20前後の女子)にも聞いてみることにしました。
「あ、聞いたことがある気がします」
おー、やっぱりね。広島人は違うわー。
「確か……芸能人ですよね?」
ワシ「…いや……サッカー選手……」
もう一人には「同級生にサトウヒサトって人がいるってことですか?」と、全くお話になりませんでした。
サンプルとしては少ないし、たまたまスポーツに興味が無い人が集まっていただけなのかもしれない。しかし、聞けばカープには何回か行った事があるというし、前田や黒田くらいは選手名として挙げることができる。しかし、我らのエースストライカー佐藤寿人は誰一人として知らなかった。これが現実なのです。
まずは知ってもらうこと
これまでの記事では「サンフレッチェを観に行ってみたいと思っているけど、なかなか行く気にならない」という層が多いので、それをどうすれば呼び込めるかということを前提にして書いてきました。
ところが、その前提そのものが大きな間違い。「サンフレッチェの事はみんな知っているだろう」という自分自身のエゴだったということに気づかされました。そもそも、みんなサンフレッチェの事を知らない。サポーターにとっては神様のような存在の佐藤寿人ですら一般人は知らないのです。
正直、ショックを受けなかったと言われれば嘘になります。「人気が無い」というよりは「知名度が低い」。
でも、それ以上に嬉しくなりました。知られて"すら"いないという事は、知ってもらう可能性がまだまだ秘められているという事。いわゆる「伸びしろ」ってやつですね。ゼロから知る喜びを伝えることが出来るという事ですよ。
広島の男気は黒田だけじゃない。J2降格から這い上がり、愛するクラブを連覇に導いた佐藤寿人という漢がいるということを。
青山敏弘というストイックでありながら、サポーターの心を鷲掴みにする熱いキャプテンがいるということを。
お笑い芸人顔負けの話術で、サンフレ劇場と言う名の歓喜の場を創り出す千葉和彦と言う選手がいることを。
みんな知らないのです。
だから、まずは知ってもらわなければ話になりません。確かに地元メディアはカープばかり。なかなか取り上げられてくれないことに苛立つことだってあるでしょう。
でも、受け身にならずに能動的に行動することで、少しずつでも変えることは出来るはず。
まずは、身近な人から巻き込んでいくために、このサッカー観戦ガイドは有効に使えるのではないでしょうか?メディアも大事だと思いますが、何といっても最強のツールは「口コミ」や「人と人との繋がり」だと思いますので。
ただ…自分の職場で見に行く人が増えれば、必然的に自分は見に行けないという自体が発生するわけですがw
まあ、サンフレッチェに興味を持つ人が増えればそれで良しとします。
では、この話題はまた気が向いたときに。
続・サンフレッチェは本当に「人気が無い」のか?
※この記事は以前運営していたブログの記事を、原文のまま再掲載したものです。
以前に書いた記事、「サンフレッチェは本当に「人気が無い」のか?」はそれなりに反響があったっぽいので第二弾。
題して、【続・サンフレッチェは本当に「人気が無い」のか?】
■クラブの存続危機??
サンフレッチェが観客動員数で苦戦しています。
2ndステージ5連勝、年間順位でも首位に立ったのに一体何故なんでしょう?それはエディオンスタジアムのアクセスに問題があるからなんです!
試合後には毎回酷い渋滞。横川駅までのシャトルバスには長い行列ができ長時間待たされるというJリーグ屈指の糞アクセスなんです。
おまけに陸上競技場なのでスタンドからピッチは遠く離れていて臨場感が全くありません!屋根付きスタジアムを求めるJリーグからは何度も警告を受けていて、このままでは最悪の場合クラブライセンスを没収され、J3降格になってしまうんです。
今まさにクラブ存続の危機なのです!
だから市内中心部にサッカースタジアムは絶対必要なんです!
アクセスが改善されて、選手との距離が近いスタンドがあれば必ず観客数は増えます!
このままサンフレッチェを消滅させるわけにはいきません!
みんなで広島の誇り、サンフレッチェを応援しましょう!
…これを見てサンフレッチェを見に行こうと思いますか?
酷いアクセスなのに、わざわざスタジアムまでいきますか?
クラブの存続危機なので見に行って助けてあげようと思いますか?
元々サンフレッチェに興味が無い人は、これで見に行きたいとは思わないのではないでしょうか。
楽しいかどうかもわからないのに、クラブの存続危機だから見に行ってみようなんて人はそうそういるものではありません。
もっと、サンフレッチェの魅力や楽しさを伝えないと、観客動員数は増えていかない。
最低でも1試合平均17000人は超えないとスタジアム云々などと言えない。
そこにある楽しさを、人に伝えなきゃ、サンフレッチェは拡がりを見せない。
最近、特にその想いを強くするようになりました。
■批判をするだけでは何も変わらない
もちろん、問題は問題としてしっかり認識すべきです。冒頭に書いた文章も、言ってることはそれほど間違っているわけではないと思います。クラブ存続の危機といえばそうなのでしょう。ただ、クラブが率先してそれを発信するのはいかがなものかとは思いますが(理由は後述)。
しかし、今の現状は、そればかりが前面に出過ぎているように思うのです。
TVで取り上げられれば、エディオンスタジアムへのアクセスの酷さが強調され、見に行く気力が失せるものばかり。Twitterでは「こんなスタジアムはクソ。市内にスタジアムが出来ればもっと沢山の人が来るのに」という声が拡散されていきます。
でも、こうやってスタジアムについて文句を言っていれば、何かが変わるのでしょうか?
批判を並べたらエディオンスタジアムのアクセスが良くなるなら、自分もいくらだって批判します。広島市を非難すればスタジアムを作ってもらえるなら、毎試合後、Twitterで広島市に罵詈雑言を浴びせましょう。
しかし、このやり方では何一つ変わらない。
批判をすれば、賛同者が増えるわけではない。罵詈雑言を浴びせれば、スタジアムが出来るわけではありません。こういうやり方で効果が出ないことは先の広島市長選挙で学んだはずです。
■そこにある楽しさを伝える
新規顧客の獲得。本当に難しい問題だし、簡単に出来るものではありません。
しかし、今スタジアムに足を運んでいる人は、なぜわざわざスタジアムに足を運んでいるのかを考えるといいのでは無いでしょうか。
みんな、「こんなにアクセスが悪いスタジアムにわざわざ行っているオレ、カッケー」と言いたいが為に足を運んでいるわけではないでしょう?
…いや、もしかしたらそういいたいだけの人もいるのかもしれませんが(笑)
そうやって苦労してスタジアムに行った見返りがあるから、足を運んでいるわけです。
そこにある楽しみの為に、"わざわざ"スタジアムに行くのではないでしょうか。
今、スタジアムに行っている人には、必ずその「楽しさ」があるはずのです。
「お目当ての選手が見たい」
「スタジアムでいろんなグルメを食べたい」
「みんなでワイワイ楽しく盛り上がりたい」
「勝った後のサンフレ劇場が楽しみ」
それぞれいろいろな、楽しみ方があるはずです。
まずは、それを周りに伝える。そこにある楽しさや良いところをアピールして、新規客を増やす。
これは、クラブでは無く、1人1人のサポーターが伝えていく部分だと思うのです。
■「流行っている」感を出す
クラブが存続危機を訴えるのはいかがなものかという趣旨の事を書きましたが、それには理由があります。
新規客を増やす絶対条件として「流行っている感」を出す、というのは必須だと思います。
昨年、フォルランや柿谷を擁したセレッソ大阪は「セレ女」なるブームを巻き起こしました(残念ながら柿谷はシーズン途中で移籍、フォルランは期待されたほどゴールを挙げられずJ2降格の憂き目にあって「セレ女」は激減しましたが、あの現象自体はクラブとして狙い通りだったと言っていいと思います)。
サンフレッチェも存続危機をアピールするよりは、今が旬の浅野、野津田あたりは積極的にクラブの新しい顔としてアピールしていくべきです。いつ無くなるかわからないものを応援するほどハードルが高いものはありません、そこまでボランティア精神にあふれた人が多いとも思えません。まずは、選手個人にスポットを当ててプロモーションするという事も、限度を超えない範囲では必要になってくると思います。やはり、"人から入る"という事は入り口としては入りやすいものだと思うので。
■スタジアムグルメはもっとアピールすべし
今年からスタジアムグルメは格段に充実しました。新しい飲食店もかなり入ったし、それぞれ魅力的なメニューがたくさんならんでいます。
…が、それを上手く活用できているかといえば、これが惜しい。
公式で一応紹介されてはいますが、もう一捻りあると全然違うと思います。たとえば”大人気マスコット”サンチェさんの一言コメントを付けるだけでも全然違うはずだし、もっと美味しそうな写真にすれば「食べてみたい」という気持ちも沸いてくるはず。お祭りの雰囲気が好きな人ならスタジアムグルメを食べに来るだけでも、価値があると思いますよ。
あと、これは全くの個人的なアイデアだけど、スタジアムグルメのスタンプラリーをやったら面白いんじゃないかなと。それぞれの店で購入してスタンプを押してもらって、溜まったら特典を付けるとかあれば、各店が潤うのではないかと思います。縁があって今年新しく入ってもらった飲食店さんには、やっぱりそれなりに成果を挙げてもらいたいので(笑) せっかく「WE FIGHT TOGETHER 完食」っていうキャッチフレーズもシーズン前にはアピールしていたはずだし、そこを利用しない手はないんじゃないでしょうか。
少し話はそれてしまいましたが(というか完全にそれた)、新規客を誘うにはスタジアムグルメも有効手段の一つだと思います。
■「歴史」は作っていくもの
先日、某ラジオ番組でアナウンサーが「サンフレッチェのファンはカープと同等に扱ってくれと言うが、戦後復興の象徴であるカープとは歴史が違う。身の丈にあった事を言え」との趣旨で発言があったとネットで話題になりました。まあ、悔しいですが正論ですね、コレ。
「何言ってやがんだ横山のヤツ!だからこいつは嫌いなんだよ!」との怒りの声も沢山見ましたが、こうして取り上げてくれたこと自体は有難いんじゃないんでしょうか。本当にどうでもよかったらサンフレッチェのことなんて無視するでしょうし、話題になったのはむしろポジティブではないかと。あ、そういえば横山って言っちゃったね、まあいいやw
歴史を出すのは卑怯と言えば卑怯です。カープとサンフレッチェには覆せないくらいの差があるので。
ただ、今こうしてサンフレッチェの歴史は作られているわけだし、そこに立ち会えているという幸せも感じます。
まずは1人1人、サンフレッチェのサポーターを増やしていく、呼び込んでいく。
それがサンフレッチェの歴史を作っていくことに繋がっていくのだと信じて、このブログを書いていきたいと思います。
サンフレッチェは本当に「人気が無い」のか?
※この記事は以前運営していたブログの記事を、原文のまま再掲載したものです。
いやー、浦和戦久しぶりの勝利気持ちよかったですね!
全てのサンフレッチェサポーターの想いを”結集”して勝ってくれた選手・監督には、本当におめでとうと言いたいし、ありがとうとも伝えたい。ただ、これでもう終わったわけではありません。2ndステージはまだ3節が終わったばかり。シーズン通して見るとまだ半分が過ぎたところです。この勝利を生かすも殺すも、ここから先の試合にかかってきます。
今年はここまで本当によく頑張っているサンフレッチェ。2シャドーが移籍し、誰もが不安視していたなかで、結果を残してきたことは称賛されて然るべきだと思います。
ところが、集客に目を向けてみると、とてもチーム成績に見合ったものとは言えません。この理由を端的に言ってしまえば、「人気が無いから」という、ごくごく当たり前の結論になってしまいます。
いや、正確に言えば「サンフレッチェの事に興味が無い人が多いから」と言った方が正しいのかもしれません。
よく、スタジアムの話になった時に「中心部にあればもっと多くの人が見に来れるのに」とか「臨場感の無いスタジアムだから迫力がない」とか「こんな魅力的なコンテンツを放置する広島市は(ry」などという論調がほとんどなのですが、本当にスタジアムが中心部にできるだけで観客数は増えるんでしょうか?
確かにスタジアムに来る人は一時的には増えるかもしれません。しかし、サンフレッチェに興味を持つ人が少ないという現状に鑑みて、それが恒常的なものになるかどうかは疑問が沸くのです。
サッカースタジアムの活動において、「エバンジェリスト」という言葉を使ってサポーターにスタジアムの事を広めてほしいというお願いがありました。「エバンジェリスト」とは伝道者の意。より多くの人にサッカースタジアムの建設活動を知ってほしいという願いも込めて、このエバンジェリストという言葉を使ったのではないかと思います。
しかし、最近になってこれはサッカースタジアムだけではなく、サンフレッチェ広島そのものにも通じるところがあるように思うのです。
4月にはサンフレッチェ前社長の小谷野氏が「中心部へのサッカースタジアム建設」を旗印に市長選挙に打って出ましたが、結果は現職の圧勝。この結果の全てが民意であるとは思ってはいませんが、「サンフレッチェに興味が無い人が多い」という事実を突き付けられました。
では、その事実を突き付けられて、じゃあ自分は何が出来るのか。
これには「少しずつでもサンフレッチェを広めていく」しかないと思います。
そのためにはネガティブな情報発信だけではなく、もっとサンフレッチェの魅力を伝えていく。1人でも多くの人にスタジアムに足を運んでもらう。もっともっと、サンフレッチェに興味を持ってもらわなければ駄目なんですよね。
こんな個人のつまらない零細ブログでも「エディスタ」で検索して来る人は、毎日必ず何人かいらっしゃいます。それは以前書いた「初めてエディスタ(エディオンスタジアム広島)に来る方へ~」という記事がヒットするようなのですが、「エディスタ 楽しみ方」だったり「エディスタ 初めて」などの検索ワードも少なからずあります。
多分、潜在的には「サンフレッチェって面白いのかな?」とか「ちょっと行ってみたいんだけど、どうやって行ったらいいのか不安」という人はかなりいるのではないでしょうか。そういう人に対して情報が充実したものであるかといえば、どうなのかなー。残念ながら、クラブのHPは初めての人に優しいとは言い難いし(それでも以前に比べたら格段に進歩していると思いますが)、せっかく今年から充実したスタジアムグルメもイマイチ伝えきれていない。
もちろん、クラブの情報発信ばかりが新規顧客獲得の手立てではありませんし、クラブが全てやるには限界もあります。
そうなれば、そこから先はサポーターの役割なのかなと思うので、本当に微力で少しずつになると思いますが、出来る範囲でやっていきたいと思っています。
さしあたって次回記事は7月25日(土)の横浜FM戦の見どころなど書ければいいなー。
少しずつでもサンフレッチェを広めていくために。